ようこそボイスルへ!
ボイトレを身近な趣味に!を合言葉にボイトレに関係した記事を現役声優の私、宇和川恵美が実体験を交えてコラムにしています♪
声や顔の若返り 飲み込む力(嚥下)他、 少しでも日常生活の参考になれば幸いです。
今回は自己管理と声が出ない時の裏ワザについて。
健康管理も仕事のうち
私はむかしお仕事の後テレビ局から救急車で運ばれたことがあります。
お仕事前日、夜から吐き気がすごく身体中から水分が出て行って水も飲めなくなりました。
朝のお仕事の前に病院に行って点滴を受け、先生に止められながらも電車で2、3駅ごとに降りてはトイレに駆け込みながらなんとかテレビ局に着きました。
幸い声は出るしCMのお仕事だったので拘束時間も短い。何とかやり遂げようと、汚い話ですが袋を片手にブースに入り少しずつ収録してもらいました。
終わった後動けなくなり、救急車で運ばれ即入院でした。
先生曰く、風邪の菌がおなかに入って脱水症状起こしかけたみたいです。
当時は携帯やメールもなく、事務所の営業時間外で連絡できず、代役も立てられず、行かない選択肢はありませんでした。
あとで聞いた話だとテレビ局の上の方たちの半分はナレーターさん大丈夫?と、あとの半分は仕事に穴開けなかったかを気にしていたそうです。
スポンサーさんのこともあるし当然の反応です。
今は携帯があるのでそんなことはありませんが、当時「穴をあける」ことはありえないことでした。
どんなお仕事もそうだと思いますが「自己管理」は大切なお仕事のひとつです。
自分を知って自己管理
昔から風邪をひきやすかった私はこのお仕事をするようになって、自分はどうやったら風邪をひきやすくて、ひきかけたらどう対処すればいいかを常に考えていました。
例えば夜お風呂に入ると風邪をひきやすいとか、ひいてしまったらお仕事の種類によって寝て治すのか体力を使っても病院に行くのか、病院は遠くの名医にするのか近くの町医者にするのか、など。
お仕事の種類とは、ナレーションなのかセリフなのか、叫び声なのか、子ども役なのか老け役なのか、拘束時間はどれくらいのものなのかなどです。
その内、例えば飲み会に参加した時、この体力でこれくらい飲んで、これくらいの声量でこれくらいしゃべって、これくらい寝るとこれくらいの声がこれくらい出せると言うのが大体わかってきました。
声や身体を使う職業の方はみなさんそうだと思いますが、自分を知ることでコントロールしています(笑)
とは言え、舌の位置を直してからは一切ここまでの不具合はなくなりましたが(笑)
お仕事を始めて25年以上、身体と声は本当に関係が深いと身をもって感じています。
「ラ」の音の咳
以前、完全に風邪の症状は治っているのに、声の掠れが治らない時がありました。
掠れると言っても全体にではなくある高さを出そうとするときだけ。
調べると音階は「ラ」でした。
同じ音を出し続けると、その音を出すために使う声帯の部分に負担が生じ、声帯がうまく閉じずその音が出しにくくなってします。
どうやら私は「ラ」の音で咳をしていたみたいなのです。
咳をするとすぐ声がボロボロになります。
なので咳は極力がまんするか小さくコンコンとするか、或いは意識的に高めか低めでするように心がけています。
ちなみに、「ラ」の音は私がナレーションするときに割と使う高さで、その時はどうしても語尾が掠れてしまったり。
その時は何とか出にくい音を避けて着地できるように、その前後で調整して読んだりしていました。
出にくい声を出す方法
声を出す物理的奥義
風邪を引いて声が掠れたり、大声で話さなければならないのに声がでないなど、健康な時でも出にくいトーンとかあると思います。
もちろんコツコツ喉の筋トレをしたり発声練習して声を出すしかないのですが、筋肉がまだついていない状態や調子が悪い中どうしてもの時に声を出す物理的な方法がいくつかあります。
例えば、拝むポーズで手の平どうしを押しながらしゃべるとか、重い机を持ち上げながらしゃべるとか(笑)
一瞬やワンフレーズで効果的なのでちょっと一般的には使うシチュエーションがないかもですが(笑)
困った時の神頼み⁉
私は以前、男の子の声で低く出しながら声を張って話すとき、どうしても声が高くなってしまいディレクターさんから指摘されたことがあります。
その時、原稿を置いてその瞬間だけ手を合わせて秘技を使うとOKがでました。
ブースから出てきた私にディレクターさんが笑いながら一言
「今の、神頼み?」いやいや、なんでやねーん!(笑)
実はこれにはれっきとした理論があるのです。
それは、力んだり重いものを持ち上げることで物理的に首に力が入るようになったからです。
それにより声帯がピタッと閉じ、瞬間的に声が出たと思われます。
身体の仕組みがわかってさえいれば、自分の意志で力が入らない時でも違う方法でコントロール出来る場合があるのです。
【まとめ】
・自己管理はお仕事のひとつ
・自分の身体の特徴を知って自己管理を!
・物理的に首に力が入ると声帯は閉じる
・声帯が閉じると声は出る
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