コラム

コミュニケーションのための発声

ようこそボイスルへ!

ボイトレを身近な趣味に!を合言葉にボイトレに関係した記事を現役声優の私、宇和川恵美が実体験を交えてコラムにしています♪

声や顔の若返り 飲み込む力(嚥下)他、 少しでも日常生活の参考になれば幸いです。

今回は人と関わり合う力=コミュニケーションとボイトレについて。

子どもたちとのコミュニケーション

子どもを笑顔にするボランティア活動

私は漫画家さんたちと「Be Smile Project」と言うNPO法人のボランティア活動に立ち上げから参加させていただいています。

「Be Smile Project」通称ビースマは、漫画家さんを中心に子どもたちを笑顔にする活動をモットーに、心に傷を負った虐待児のいる情緒障害児短期治療施設や児童養護施設に訪問し子供たちや職員さんたちと交流をしています。

活動内容は、漫画家さんたちとお絵かきをしたり、サッカー選手や野球選手とスポーツをしたり、マジックや演奏、ライブや朗読をしたり。

子どもたちと楽しい時間を過ごして夢を持ってもらえたら、そしてこの現状を少しでも知ってもらえたらと言う活動です。

 

声優になりたい女の子との出会い

初めて会った日

ビースマの活動の中でわたしは、声優になりたい一人の女の子Aちゃんと出会いました。

Aちゃんは自分から声をかけたりせず、遠くから見ているおとなしい子でした。

初対面の時、周りの子に背中を押され私の前に連れてこられても目も合わせず、ずっとうつむいたまま。

何度か話しかけて返ってくる一言二言も雑音にかき消されるほど小さい声でほぼ聞こえませんでした。

私はうつむいているAちゃんにひたすら話しかけ、最後に本を少し朗読して「また来るね」と別れました。

二度目の訪問

大人に裏切られ傷ついた子どもたちにかける言葉は有言実行でなければなりません。

それからしばらく経って、再び施設に訪問しました。

するとAちゃんは、一番に私のところに駆けつけて来てくれました。

前回会った時と別人のように、目を見て小さいけどとってもかわいい声で「朗読教えて」と。

それからAちゃんはまるで別人のように、他の子どもたちと話してる時もかぶせてしゃべり続けるようになりました。

その後も何回か訪問しては朗読や掛け合いをして遊びました。

題材を持って行ってシーンの状況などを説明し、間を想像させたりして教えて行くうち、声も驚くほど大きく出せるようになって演技もちゃんと絡んで行きました。

 

彼女の変化

ある時その掛け合いを職員さんが録音して、お昼ごはんの時に流したことがあります。

Aちゃんは照れくさそうでしたが最後に拍手をもらうととても嬉しそうだったのが印象的でした。

初めて会ったころから見違えるほど表情も明るくなり、会話もちゃんと出来るようになって行きました。

職員さんが「Aさんは毎日練習して楽しそうでした。以前より明るくなって何より周りとのコミュニケーションが取れるようになってすごく変わりました。本当にありがとうございます。」と言われすごくうれしかったのを覚えています。

声優になりたいと言う思いから、朗読や表現をすることで 読解力や想像力が出来、自信を持ったのかも。

朗読や本を読んだり読んであげたりすることは、子どもの情緒教育にもいいんだなぁと思いました。

演劇教育と朗読

私は教育大学出身なのですが卒業論文は「演劇教育」について書きました。

集団生活である社会では「人ときちんと関わりあう力」=コミュニケーション力が必要になります。

コミュケーションの基礎は「相手の目を見て気持ち伝える。あいての言葉を聞いて、空気を読み、理解する」こと。

でも先生をやっているお友だちは「今の子どもたちのコミュニケーション力は年々低下している」と言ってました。

近年ではインターネットやメール、SNSなどの普及を背景に大人でも同じことが言えると思います。

「朗読」と言う作業は相互作用の演劇とは少し違いますが、物事の把握や想像力、行間を読む力、伝える力などコミュニケーションに必要な力を養え、子どもから大人まで幅広く役立つと思います。

国語力は全ての基本

最近の子どもの傾向

文章の読解、行間を読むことはいわゆる「国語力」です。

国語力は全ての科目の基本です。

家庭教師をしていたお友だちが「数学を教える前に国語を教えないと問題の意味が分かってない子が多すぎる。読解力や想像力が乏しい」と嘆いていました。

文章を感情を込めて読むと国語力がつく!

実は私は理数系大好だけど国語が大の苦手で、試験でいつも足を引っ張っていました。

厄介なのはテストはいつも手ごたえ満々、なのに点数が悪い(笑)

ところが!

この間ちょっととある大学入試の国語の試験をやってみたらほぼほぼ出来ていました!

25年以上ナレーション原稿を表現して来て、まさか苦手な国語のテストがよくなるとは(笑)

朗読やナレーションをしていると、意味や背景、人物の気持ち、何が言いたいか、立ち位置を考えるからなんだと思いました。

喋るボイトレでは呼吸、発声、滑舌のあと原稿を読むのですが、声に出して音読、表現することは、美容やアンチエイジング、脳の活性化、嚥下の他にも、伝える力やコミュニケーション、情緒教育、いろんな場面や立場の人に役に立つと思います。

【まとめ】

文章を声に出して音読することは

・美容やアンチエイジング

・脳の活性化

・嚥下機能を鍛える

・伝える力やコミュニケーション能力

・情緒教育

に役立つ。

ABOUT ME
宇和川 恵美
青二プロダクション所属。声優、ナレーター、パーソナルボイスメンター。 声にコンプレックスを持ちながらも自信を持って現場に立ち続けられたのは『ボイトレ』の力があったから! 声を届ける側から『声を出す喜び』を伝えていきます。 『ボイトレ』はプロだけの特別なものではありません。 アンチエイジングや健康維持にも! 身近なボイトレをお届けします。
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体験だけでも発声のヒントになると思います!