コラム

声の劣化と踏ん張る力

ボイスルへようこそ!

ボイトレを身近な趣味に!を合言葉にボイトレに関係した記事を現役声優の私、宇和川恵美が実体験を交えてコラムにしています♪

声や顔の若返り 飲み込む力(嚥下)など 少しでも日常生活の参考になれば幸いです。

今回は、声の劣化と踏ん張る力について。

人類が初めて発した声

喉の筋肉の大切な機能は、呼吸、嚥下、発声なんだそうです。

では、人が最初に発した声はどんな声だと思いますか?

 

実は喉の筋肉のひとつである声帯には「力を出す」ときに重要な役割があるとか。

声帯をぴったり閉じることで肺をパンパンにして上半身を支えて、瞬間的な「力」を出せるそうです。

生き物として力を出したその瞬間、閉じている声帯から息が漏れてたまたま生じた「音」。

それが「声のもと」と言えるそうです。

(参照「声筋のすごい力」ワニブックス出版 渡邊雄介著)

 

なるほど。確かに「よっこいしょ!」や「せーの!」などの掛け声の後は声帯をピタッと閉じます。

そうすることによって力が出ることを私たちは本能的に知ってたんですね。

 

声で出す力を調整できる!?

ハンマー投げなど力が入る競技で選手が「声」を出すのは、力を出すのに効果的だからなんだとか。

実際アテネオリンピック金メダリストの室伏広治さんは自身の著書「ゾーンの入り方(集英社新書)」で、

「発する声の音に呼吸をコントロールするヒントがある。音と呼吸には密接な関係があり、発声の仕方によって実際の動作も変化する可能性がある」

と言っています。

 

そう言えばよく「よっこいしょ!」と言うとおばさんっぽいとか言われますが、年齢が行くと声帯の筋肉が衰えてピタッと閉じにくくなり、力が出しにくくなるからかもですね。

そう考えると「よっこいしょ」がおばさんっぽいと言うのはあながち間違ってはなさそうです(笑)

 

張り声のナレーションと支え

ナレーションのお仕事の時、特に高音で張り声の時は胸に少し空気を入れていないと支えがなくなり安定した声は持続しません

 

実際やってみて思ったのですが、確かにナレーションの文字と文字の間にちょこちょこ声帯閉鎖(声帯を閉じること)を挟んで支えを維持しながら張り声を出していました(笑)

声帯はいろんな役割を担っているんですね。

喉の筋肉が衰えると「力」が出ない!?

みなさんは、日常生活に置いて、ビンの蓋が開けにくくなったり、重い荷物が持てなくなったり、何もないところでつまづいたり、と言うことがあったりしませんか?

実はこれは喉の筋肉の衰えから来ると、前出の渡邊先生はおっしゃっています。

多くの声のプロを見ている専門医の渡邊先生が言う「喉の筋肉である声帯をピタッと閉じる働き」として、

  • 上半身を支えにして安定して歩く
  • 踏ん張る力を出す
  • 息漏れなく楽に呼吸ができる
  • 声を出しやすくする
  • 気管をふさぐ

などがあるそうです。

 

「声帯を閉じて気道を閉鎖すること(嚥下)」「身体を安定させ、必要な時に力を出すこと」は喉の筋肉が果たす、身体にとって最も大切な機能なのです。

 

声のピークと劣化

ちなみに歳を取ると

  • 声が出にくくなった
  • 声が低くなった
  • 声が掠れる
  • 声が通らなくなった

など声の悩みを良く聞きます。

実は喉の筋肉は30歳から衰えるそうです。

さらに男女問わず更年期になるとホルモンバランスが崩れ筋肉に影響し、声が劣化します。

一般的には女性は閉経後低くなり、男性は声帯が委縮して声が高くなったりするそうです。

 

電話の声を聞いて「若い女性でした」とか友人の声を聞いて「元気がない」など、私たちは声から大体の年齢や体調などを推測します。

それは声に色んな情報や特徴があるのを感じているからでしょう。

声の劣化を防ぐには

私はお仕事で老け役をするとき、収録前に声帯を乾かしてガサガサにしたり、支えを弱めて不安定にしたり、喉だけに響かせるようにして声を出しています。

一般的に高齢者は、声帯の水分量が少なく筋肉も落ちているので、知らないうちにそれに寄せて身体を使ってたんだと思います。

しかし、声帯は筋肉です。

筋肉は何歳からでも鍛えることが出来ます。

声を鍛える ことで衰えを防ぐことが出来、健康にも役立つことは科学的にも証明されています。

 

実際声優界では80代90代の先輩方が現役で活躍されています。

「健康な声は健康な身体から」

徐々に変化する声の劣化にはなかなか気づきにくいかも知れませんが、ぜひ早めに喉の筋肉を鍛えることをお勧めします。

 

【まとめ】

・喉の筋肉の大切な機能は、呼吸、嚥下、発声

・声帯には「力」を出すときに重要な役割がある

・気道閉鎖、身体を安定させ力を出すことは喉の筋肉の大切な機能

・声は30代から劣化が始まる

・声帯は何歳からでも鍛えられる

 

 

ABOUT ME
宇和川 恵美
青二プロダクション所属。声優、ナレーター。 声にコンプレックスを持ちながらも自信を持って現場に立ち続けられたのは『ボイトレ』の力があったから! 声を届ける側から『声を出す喜び』を伝えていきます。 『ボイトレ』はプロだけの特別なものではありません。 アンチエイジングや健康維持にも! 身近なボイトレをお届けします。
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