ボイスルへようこそ!
ボイトレを身近な趣味に!を合言葉にボイトレに関係した記事を現役声優の私、宇和川恵美が実体験を交えてコラムにしています♪
声や顔の若返り 飲み込む力(嚥下)など 少しでも日常生活の参考になれば幸いです。
今回は発音、滑舌と調音について。
「必要」が「しつよう」に聞こえる!?
先日興味深い記事をディレクターさんが送ってくれました。
実は以前そのディレクターさんからは、ナレーションのお仕事で「必要」が「しつよう」に聞こえると何回か指摘されたことがありました。
これまで他の現場で指摘された記憶はなかったのですが、自己分析してみると「ひ」が私の苦手な「き」に似ていて、微妙な発音を出すのがどうやら苦手なことに気づきました。
ただただ私の力不足で改善するよう努めます とお伝えしたのですが、それらの流れから、もしかしたら他の人は気にならないかもとこの記事をご紹介いただいたのです。
「ひ」が「し」になる江戸っ子
それは江戸っ子はなぜ「ヒ」と「シ」の発音を区別できないのか、その理由の一部が明らかになったと言う記事でした。
豊橋技術科大学の研究チームが、「東」を「シガシ」、「髭」を「シゲ」などと話す現象を研究し、発声のメカニズムを解き明かしたそうです。
「ヒ」と「シ」は発音する時、どちらも硬口蓋(上あごの前方部)に舌を近づけて発音するため、舌の位置が似ています。
本来は「シ」の方が「ヒ」より舌先が前に出るのですが、これを同じ舌の位置で発音していても、舌の左右方向の形状のちがいで「ヒ」と「シ」の子音のちがいが生まれることがわかったそうです。
つまり、発音は舌の位置や形のちがいが影響するんですね!
「ヒ」と「シ」は同じ舌の位置なだけに うまく発音が出来なかったり、またうまく出来なかった発音を聞いて育つと、「ヒ」と「シ」の区別がつきにくくなるとか。
それがなぜ「江戸っ子」に特化するのかはわかりませんでしたが、どんな発音を聞いて育ってきたかで気になるならないが関係してるようです。
「き」の発音
わたしは以前、子どもの頃舌足らずで、「き」の発音がおかしかったお話をしました。
録音して聞いてみると「き」の発音は浮いてると言うか、他の皆さんと比べて、破裂してるようなノイズが混じるのです。
そこで色々自分なりに研究して、録音しては聞いてみて直してを繰り返し、何とかみなさんに近づけて行きました。
記事には、おそらくみなさんとは「き」を発声する時の口の中の「フォーメーション」がちがうと思う、と書いたのですが、その「フォーメーション」はまさにこの研究結果に即したもので、この記事を読んだときすごく腑に落ちました。
感覚なのでうまく説明できませんが、今まで発音していた舌の位置で、頬の肉をすぼめて舌の横の隙間を埋めるように直したら、みなさんと似たような「き」の発音になったのです!
研究発表では舌の左右の影響と言うことでしたが、私は舌で調整できなかったので頬の肉を使いました(笑)
つまりポイントは「舌の横の隙間」だと思います。
前回も書いたけど、活舌のキレが良くて評判の先輩も同じ悩みと解決法でしたし、今回の研究結果を見るとその発音方法も間違いではないと思いました。
発音の改善
ちなみに私の苦手な「K」や、「S」などの音は歯音、歯茎音などと言われおり、調音(発音)は、歯並び、唇、舌などの調音点の環境が大きく影響します。
以前、同じような発音の舞台役者友だちと発音の話になり「き」が弱いと指摘すると、演出に「き」の発音がきついと言われたことがあると話していました。
他にも「き」の発音がきれいに出来ていない人を多々見かけるので、この調音点の見直しは、発音をある程度改善出来る割と有効な手段だと思います。
実際わたしはそうして直してお仕事して来ましたし(笑)
滑舌のはなし
先日、アニメ「金田一少年の事件簿」を25年以上ぶりに見ました。
昔の作品を見直せるいい時代になりました(笑)
「金田一少年の事件簿」には何回か出演したのですが、大人なキャラは当時自分が思ってたより声が高くて張りがなく、他のキャラも声が不安定で滑舌もあまくてびっくりしました。
当時使える一番低い音域で演じたのですが、今ではもっと自然に低音が使えるようになっているし、メリハリのある安定した「声」を出せるのにと思いながら(笑)
そう考えると、ボイトレや滑舌をコツコツやっていると改善していくものだなぁとしみじみ昔を振り返りました。
音域のはなし
ボイトレで正しい発声をトレーニングすると、高い声が出るようになるイメージがあるかもしれませんが、実は同じように低い声も出るようになって音域が広がります。
現に私は昔より声が高くなってるし、低くなっています。
ボイトレは「喉の筋トレ」なので至極当たり前かも(笑)
なので、昔目いっぱい低音で演じてた役は、今だと低くなりすぎるので逆に調整が難しいです(笑)
もちろん役は声ではなく気持ちで演じるのですが、あくまで楽器として低く鳴りやすくなったのでと言う話です(笑)
発声練習のはなし
思い返せば養成所時代、授業前にとにかく大きな声を出す発声練習をしていました。
今考えたら、ちゃんと鍛えたいところにアプローチしていない発声でいつまでたっても上達しないし、むしろ喉に負担になってた単なる自己満足だったなぁと思います。
喉の筋トレは、正しく発声して筋トレするか、声を出さなくてもそこにアプローチできればいいのです。
体験レッスンでも伝えていますが、普段わたしは、待ち時間や電車の中で出来る筋トレをするように意識しています。
コツコツ毎日続けるのが大切だと思うので、まずはオンラインで自宅で出来る体験レッスンだけでも受けてみてくださいね!
【まとめ】
・「し」と「ひ」の発声で舌の位置は同じ
・微妙な発音のちがいは舌の前後、左右の使い方が影響
・調音点の工夫で発音はある程度改善できる
・正しいトレーニングで高音も低音も広がる
・ボイトレは喉の筋トレなので声を出さなくても鍛えられる
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興味はあるけどどんなことをするのかわからないので一度やってみて考えたい、
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まずは気軽に体験してみてください。
解剖発生学に基づいて理論的に説明するので、
体験だけでも発声のヒントになると思います!