コラム

ボイトレで耳がよくなる⁉ 聞こえなかった音が聞こえるように⁉

ボイスルへようこそ!

ボイトレを身近な趣味に!を合言葉にボイトレに関係した記事を現役声優の私、宇和川恵美が実体験を交えてコラムにしています♪

声や顔の若返り 飲み込む力(嚥下)など 少しでも日常生活の参考になれば幸いです。

今回は、からだ利きと頭利について。

声は気合で出す!?

声優さんは養成所や声優科の講師をされてる方はよくいますが、ボイトレの講師をしてる話はあまり聞いたことがありません。

授業の中で発声を教えることはあるかもですが、少なくとも私の周りにはボイトレを中心に教えてる人はあまりいない気がします(笑)

 

ある時、いわゆるレジェンド声優と言われる大先輩と飲みに行ったことがありました。

子どもの頃から見てる数々のアニメの主役をされている大御所の方です。

その方も講師をされていて、ふとボイトレの話になった時、

「ボイトレは歌を歌う人がするものだよ!」とおしゃっていました。

わたしは思わず「でも、私は昔声が出にくくてボイトレに通ってやっと普通に声が出るようになったんです」と話すと、

それは、気合が足りないんだ!」と指摘されました。

 

その時、昔事務所のお友だちに朝の声の起こし方を聞いた時に「身体が起きたら声も起きるよ」と言われたことを思い出しました。

わたしは4時間前に起きて発声しないと声が起きなかったから…。

それがボイトレを10年以上続けて喉の筋肉がついてから、身体が起きたら声が出る状態になりました。

生まれつき声を出すための喉の筋肉が出来ている人は「天才型なんだと思います。

だから声が起きない、出にくい状態を感じることはないのだろうなと。

 

もちろん、声優さんやしゃべるお仕事をしている方で今の声をさらにブラッシュアップするためにボイストレーニングされている方もたくさんいらっしゃいます。

 

でも私はと言うとブラッシュアップ以前の問題で、当時 声が起きない、裏返る、かすれる、大きな声が出ない、通らないなど、周りに言えない声のコンプレックスがたくさんありました。

今だから言えるけど、喉の筋肉が出来るまでハッタリをかましながらごまかしごまかし よく声優のお仕事を続けられたなぁと思います(笑)

もっと早くボイトレと出会っていたらなぁ。

でもだからこそ声を初め、喉の筋肉を鍛える過程で得た美容や嚥下など色々な効果と気づきを周りに伝えられればと思い、現役声優による声と喋りのボイトレ(喋トレ)を始めるに至ったのですが(笑)

その話を師匠と話してたとき、声優さんでボイストレーナーをしているひとが比較的少ないのは、声がちゃんと出る人がなる職業だからなのかもとなって 私の中でストンと腑に落ちました(笑)

 

からだ利きと頭利き

そんな話の流れで、アメリカにいる師匠からこんなお話を聞きました。

全米女子プロバスケットの日本人選手の方が、選手には「頭利き」と「からだ利き」がいると話していたと言うのです。

「からだ利き」は身体の感覚で動く人、「頭利き」は頭でいろいろ考えて動く人。

前者はいわゆる「天才型」、後者は「努力型」のことを言っていて、きっと日本人の彼女はアメリカ人と体格がちがうから色々努力されたんだろうなぁと想像しながら聞いていました

「からだ利き」は持って生まれた才能だと思います。

でも師匠は「頭利き」はもし声の調子が悪くなったり、歳を取って出にくくなっても調整の仕方がわかると言っていました。

たしかに苦労した分、自分なりの理論があるかも(笑)

 

「声」を表現する言葉

声を出す感覚

仲間内で「声」の話をするとき、形がない感覚的なものなのでいろんな表現をしています。

例えば「声がねじれてる」とか「声の密度が高い」とか、「声が軽い」「声が濁ってる」とか。

これは「声」自体の話なので、声のお仕事してる人ならなんとなく通じると思います。

でも、「語尾だけ音の響かせるところがちがう」とか「音の粒がそろった」、「声を押してる」、「上から音を取ってる」とかになると発声の感覚も含んでる話になるからか、話していて通じる人もいれば通じない人もいたりしました。

 

同じコンプレックスからの共通語

ある時 後輩ちゃんとマイクの話をしていたら、表現がすごく伝わるし、言ってることもよくわかることがあってびっくりしました。

例えば、朝起きたては声の輪郭がぼやけてるからなるべく上にあてて密度を出さないと、、、とか話してたら、わかります!って(笑)

でも周りにそれを言ってもあまりピンとこないことが多くて…と話すと、同じこと感じていたらしく、初めて自分の気持ちを理解してくれる人に会った気がしました!

彼の声は倍音が多くてマイクの乗せ方がむずかしいらしく、声にコンプレックスを持っていると話していました。

そんな彼が一言、「ねーさん、それはみんなにはわからないですよ。だって大抵の人はふつうに声が出るから、そこの苦労はあまりないんじゃないかな」と。

確かに苦労してないとわからないことかも。

彼もどちらかと言うと「頭利き」なんだなと思いました(笑)

 

ボイトレで耳がよくなる⁉

後輩と意気投合した話題が、モノマネの番組とか見るとつい「似てる」と言う感覚より「この地声の人がここを支えにしてここに響かせている声」と言う受け取り方をしてしまうと言う話(笑)

声に悩んでずっと気にしてきたからかも。

どんな声と言うよりどう発声したら出る声なのかが先に頭に浮かんでしまうみたいです(笑)

 

ふと師匠が「ボイトレやると耳が良くなるよ」と言ってたのを思い出しました。

ここまでマニアックではないけれど、 声に携わってる人にしか「聞こえない音」は確かにあります。

こだわり方にもよるかもですが、何事も長く携わっていれば大なり小なりそう言う感覚は生まれるのかも!

声に携わってる人しか聞こえないので、オンエアを見たお友だちや親に「今の声…」と話しても「全然わからなかった」と言うこともしばしば(笑)

(なんとなく違和感は感じる、と言うことはあるみたいだけど)

なので、聞く側が気になるかならないかも大切なのかもですね(笑)

【まとめ】

・声が出ないのは「気合い」が足りない⁉

・天才型の「からだ利き」と努力型の「頭利き」?

・苦労すると自分なりの理論が出来る

・ボイトレをすると耳がよくなる

 

ABOUT ME
宇和川 恵美
青二プロダクション所属。声優、ナレーター、パーソナルボイスメンター。 声にコンプレックスを持ちながらも自信を持って現場に立ち続けられたのは『ボイトレ』の力があったから! 声を届ける側から『声を出す喜び』を伝えていきます。 『ボイトレ』はプロだけの特別なものではありません。 アンチエイジングや健康維持にも! 身近なボイトレをお届けします。
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