ボイスルへようこそ!
ボイトレを身近な趣味に!を合言葉にボイトレに関係した記事を現役声優の私、宇和川恵美が実体験を交えてコラムにしています♪
声や顔の若返り 飲み込む力(嚥下)他、少しでも日常生活の参考になれば幸いです。
今回は呼吸の驚くべき力について。
大先輩が克服した「吃音症」
先日、大大大先輩の柴田秀勝さんのとあるインタビュー動画が公開されました。
柴田さんは外画やアニメやナレーションで活躍されているレジェンド声優。
新人の頃、本当にお世話になりました。
そのインタビューで柴田さんは「吃音症」のことを話していました。
「吃音症」とは、スムーズに話せない状態のことで、芸能界でも有名な司会者さんなどが昔そうだったと話されていたり、案外喋るお仕事をされている方にもいるようです。
本を読んでいると(「やさしくわかる言語聴覚障害」ナツメ社)、自然に治癒することもあるようですが 症状やあらわれ方は人それぞれ。はっきりした原因や対処法はまだわかっていないそうです。
「吃音症」を克服した呼吸法
柴田さんはインタビューの中で、吃音症で「た行」が言えなかったと話しています。
でも、声優のお仕事で初めてとったレギュラー「タイガーマスク」のミスターxの役が必ず言うセリフが「タイガーめ」。
でもその「タイガーめ」の「タ」が出ない…
その時 柴田さんが思いついたのが「含み笑い」でした。
試しに「フフフ…」と言う含み笑いを「タイガーめ」の前に入れてみたら、、、
なんと!スッと言えるようになったそうです。
そこで柴田さんは気づきました。要は「呼吸」なんだと。
「フフフ」と言う呼吸法を苦手な「た行」の前に入れることで克服することが出来、いつのまにかどの現場でも言えるようになったとか^^
それ以来「た行」でつっかえたことは一度もないとおしゃっていました。
ご自分で克服法を編み出したのはすごい!
私も「き」の発音が苦手で、色々研究して克服してきたのですが、さらっとこなして見える大御所の先輩にも実は苦手な音があって、色々考えて工夫されていたことにとても感銘を受けました。
発音しやすくする呼吸
柴田さんの「フフフ」の呼吸とは少し違いますが、他にも息の使い方で歌いやすくなった事例があります。
私は、漫画家の葉月京先生と「突き指パンダ」と言う音楽ユニットを組んでいて、そのレコーディングの時のこと、、、とある歌で葉月先生が
「助手席~で待~つ♪」の「助手席」が歌いにくいと何回もやり直していました。
なぜ歌いにくいのか、それは息が流れてしまっていたから。なので、
「助」と「手」と「席」ひとつひとつ息を軽く止めて発音するようにアドバイスするとうまくいって、いまだにすごかったとその話をしてくれます(笑)
柴田さんの「フフフ」の呼吸じゃないけど、言葉への息の送り方で克服できる、呼吸ってホント大切です!
声のもとになる呼吸
「呼吸」に関しては、教えている生徒さんにも変化がありました。
彼女の場合は喋りではなく歌なのですが、レッスン当初 歌を歌ってもらっても喋ってるようにぷつぷつ切れていて息も続かず、正直言うとピッチもフレージングも問題外な状態でした。
1年ぐらい、丁寧に呼吸をやった結果、今では息も続くし歌うのが楽になったそう。
音程もあまり外さなくなって、他の生徒さんも変化に気づいて驚いていました。
ボイスルのレッスンでは、毎回初めに呼吸をするのですが、わたしが習ってた頃、ほんと地道な作業で本当に役に立つのかなぁと半信半疑でした(笑)
でも、実際私もナレーションをやっているとき、すごく役に立っているのを実感します。
実感してもらえるまで時間がかかるかもですが「呼吸」は本当に基本で重要なのです。
生きるための呼吸法
実は私の父は肺の病気だったのですが、病院からある呼吸法を教わっていました。
それがまさに私が教えていると同じでした。
胸式呼吸とか腹式呼吸とかよく聞きますがどちらがいい悪いではなく、最終的には身体をバランスよく開いて楽に息を吸えることを目指しています。
ちなみに腹式呼吸は副交感神経にアプローチするので、物理的に身体をリラックスできます。私も緊張したときに使っています。
呼吸を使って身体の状態を戻したり、呼気圧の調整で喋りやすくも歌いやすくもなる。
まさに!
呼吸を制する者は発声を制す!!
ですね!
【まとめ】
- 呼吸を制する者は発声を制す
- 呼吸法で言いにくかった言葉が言えるようになることも…
- 呼吸法で歌のフレーズが繋がるようになる
- 呼吸法で息が楽になる
- 呼吸法で声が安定する
- 呼吸法で緊張をほぐせる
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