言語によって声や聞こえる音が変わる!?
ようこそボイスルへ!
ボイトレを身近な趣味に!を合言葉にボイトレに関係した記事を現役声優の私、宇和川恵美が実体験を交えてコラムにしています♪
声や顔の若返り 飲み込む力(嚥下)他、 少しでも日常生活の参考になれば幸いです。
今回は言語とからだの密接な関係について。
若く見られがちな日本人
声優・ナレーターのお仕事は当日に入ったりするので、なかなか予定が立てにくいお仕事です。
海外旅行に行ったのは25年以上所属して3回だけ(笑)
ちなみに初海外は韓国で事務所の大先輩たちとマネージャーさんと一緒でした。
飛行機も初体験という勝手がわからない中、機内食の選べるドリンクでワインを頼むことになりました。
するとCAさんが何か言っています。
ドキドキの中よく聞いてみると「Under 20?」と。
え⁉未成年⁉
「No!No!アダルト!!」と必死に答えてみなさんに大笑いされました(笑)
そんな話を事務所でしていたら、みなさん案外同じような経験があるらしく、海外あるあるみたいでした(笑)
そう言えば、声優のお仕事でボイスオーバーと言う外国人の吹き替えをするお仕事があるのですが、出てくる外国人の方はディレクターさんから聞いた年齢よりも年上に見えることもよくあります(笑)
一般的に日本人やアジア人は欧米人より若く見られるようです。
確かに欧米人は、同じ年の日本人と比べて子どもの頃から見た目も大人っぽくて声も低いような気がします。
骨格や体格、線の細さなどが影響しているのかもしれません。
言語で体つきが変わる!?
日本語と欧米の言語の違い
日本語は、言語に母音が出てくることが多く、子音を前に飛ばすことがないのに対して、欧米の言語は子音が多く、子音を前に飛ばすことが多い言語です。
日本語の「おはようございます」は母音を抜き出すと「おあおおおあいあう」となるのに対し、欧米の言語は「グッドモーニング」母音は「うっおーいーうっ」みたいに母音は少ない。
子音の発音は声帯で音を鳴らしたあと、歯や舌、唇などの調音点で調整され発音されます。
これはアメリカにいる師匠が教えてくれたのですが、英語は唇や首の筋肉をしっかり使うとか。
特に日本人が苦手な「r」の発音は舌が宙に浮いてる状態で発音するので首を使うそうです。
つまり欧米人は言語によって日ごろから発声に使う喉の筋肉が鍛えられているのです。
遺伝もあるかもですが、確かに欧米人は日本人に比べて首が太い人が多い。しかも胸板も厚くなるらしいです。
だから声も低い人が多いのかもしれませんね。
さらに表情も豊かなので表情筋も発達しています。
そういう意味で日本語は歌に向いてない言語のようです。
ちなみに、日本語で歌う時に発声しにくい言葉のひとつが「永遠」だとか。
「えいえん」の「え」と「い」はフォーム的に首(発声に使う喉の筋肉)の力が抜けやすいのですが、首が太く表情筋が発達している欧米人ならさらっと歌えそうです。
のど飴とマスク
日本人はよくマスクやのど飴、喉スプレーを使うのですが、欧米人はほとんど使わないと知り合いのアメリカ人から聞きました。
日本語は欧米の言語より発音するとき喉に近いところを意識してしゃべるのであまり筋肉を使わず発声します。
そういう意味ではこれも言語によるものなのかも知れません。
日本人と欧米人の耳の違い
聞いている音のちがい
少し話が逸れますが、師匠から興味深いお話を聞いたことがあります。
日本人と欧米人は聞こえる音の波長が違うと。
なのでオーケストラなどのモニターは日本人用と外国人用で変えてるとか。
ちなみに、母音の強い日本語の音の周波数1500ヘルツ以下、子音の強い英語は2000ヘルツ以上。
つまり日本人は母音の多い言語を低い周波数で話すのに対して、欧米人は短い子音を強く発音する言語を高い周波数で話し、それらの音を聞いて育っているのです。
人間の聞き取れる周波数は約20~20000ヘルツ、聞き取れる周波数は日常生活で学習しながら習得するそうです。
なので日本で育った欧米人は日本語の低いヘルツが聞こえるようになります。
このように言語は、骨格、筋肉の他に、聞こえる音にも影響しているんですね。
日本人の「耳」
学生の頃 国語の教科書かテスト問題かで、日本人の「耳」の話を読んだのですが その内容がなぜかずっと記憶に残っています。
それは、日本人は「ししおどし」のように耳から水の「音」を楽しみ、欧米人は「噴水」のように目から水の「形」を楽しむと言う内容でした。
確かに、水琴窟や風鈴など音を楽しむものが日本にはたくさんあるような気がします。
日本人は耳から色んな想像力を膨らませていたんですね。
そう言えば「しんしんと雪が降っている」とか「煌々と照っている」など、音の表現もたくさんありますね。
日本人の「脳」
日本人と欧米人で 耳から入ってきた音を処理する「脳」の実験論文を読んだことがあります。
試験音を色んな国の人に聞かせたときの脳の血流や脳波、脳磁図を見た結果、
「母音」に対して日本人は「左脳」、欧米人は「右脳」が活動したとか。
ちなみに、「母音」は音響の波形(※フォルマント構造)が「自然の音」と似ているそうです。
つまり日本人は、「自然の音」など 母音的な構造を持つ音を、全て言語脳である「左脳」で受け取ってることがわかったそうです。
「日本語」は「母音」が多く出てくる言語なので、その言語で育った日本人が、水や風などの「自然の音」を言語脳で捉えて楽しむ「日本耳」になるのは至極当然のことなのかもしれません。
※フォルマント構造:音や言葉を発し出来る複数の周波数のピーク
【まとめ】
・日本語は母音が多く、欧米の言語は子音が多い
・言語で首の太さや胸板など体格が変わる
・日本人を欧米人は聞いている音がちがう
・日本人は「音」を楽しむ人種
・日本人は母音と同じ構造を持つ自然の音を言語脳で聞いている
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